太樹と公園・その①(デパート内のちびっこ広場編) | パパだってやるんだぞ

太樹と公園・その①(デパート内のちびっこ広場編)

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太樹とふたりきりの時間を大切にしている。

というか、もうそれが楽しくて仕方がない。


見知らぬ大勢の人の中で一緒に遊ぶうちに、ひとつ確信

したことがある。


それは、太樹が余りにも臆病である、ということ。


先日、ふたりで「デパート内のちびっこ広場」に遊びに行っ

た。食料をまとめて買う前に、ちょっくら遊んでみようと思った

のだ。


太樹とパパが広場に行った時には、既に5人の子どもたち

が大はしゃぎしていた。別に立派なおもちゃがある訳でも

ないけれど、動物をかたどったクッションがあれば、それ

だけで子どもは喜んでいる。


羨ましそうにその模様を眺めていた太樹だったが、パパが

促してもなかなか5人の子どもたちの輪に加わろうとしない。

怯えてしまって、全然駄目。


そのうち女の子の姉妹が、こちらに寄ってきて太樹に動物

クッションをひとつ与えてくれた。


「お姉ちゃん、ありがと」と言い、太樹にもお辞儀をさせる。


「ほら、お姉ちゃんたちと一緒に遊んでおいで」と言っては

みるものの、それでも駄目。パパから離れない。


やがてひとりふたりと広場から子どもたちが去ってゆき、

そして誰もいなくなった。


太樹がおもむろに遊び場の中央にのっしのっしと歩みいり

遊び始めたのはそうした中だった。しかし、辺りを警戒し、

遊ぶことに集中できていない。そして、ちょくちょくパパの

ところへ戻ってきては、一度抱っこをせがむ。


「太樹よ! 遊びたいという欲求そのものを満たしていいん

だぞ! おもちゃを誰かに取られるんじゃないかと心配した

り、急におしっこをしたくなったらどうしようと悩んだり、今月

は投資信託の評価額が上がるだろうな、などと皮算用する

必要は全然ないんだぞ!」 


あ、最後のは関係ないや。


兎に角、太樹よ、遊びに集中しろ。



写真:「ううううん、何か遊び方が判んないや」の図